2014年6月21日土曜日

『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(The World's End) そして40が目前だ

覚えている限り、人生で多分最長だ。約四カ月、劇場で映画を見なかった。
東京転勤の内示を受けてから公私ともにバタバタなうえに、東京の映画館は多すぎて、どこで何を観るのか選ぶ気力は残っておらず、気づけば東京生活も三カ月近く。
これはいかん!映画を見なければ!
で、久々に映画サイトを観ていれば、見逃していたコレが再び上映されている・・・!

それが、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う』!うふ。

ここ最近、たまに「あれ?あんたも?」と発見するのが、同世代の監督だ。
たとえば『TED』のセス・マクファーレン。『オブリビオン』のジョセフ・コシンスキーは同年だ。で、エドガー・ライトも同年なんである。いろいろ微妙なメンバーだ(笑)
同世代人が作った映画を見ると、出来の良しあしや好みは別にして、妙に作り手と同調してしまう。
ああ、この人もあの映画観たんだなあ、とか、あの曲聞いてたんだなあとか。
若いころはそんなことになるとは思いもしなかったよ・・・・・・。

私と同年、と言うことは、今年めでたく40歳になる(or なった)というわけなんだが、40歳になるのならんの、という時期は、いろいろ思うところがあるのである。
人生が順調にいっていようがいるまいが、なんとなく40歳になるとなにやら次の世界の扉をあけるような気になってしまう。
次の世界といっても、若いころのように飛び込んでいく気分ではなく、扉が問いかけてくるような、いやそもそも扉が幾つかあって、さあどっちを選ぶ?と門番に聞かれた、『ラビリンス~魔王の迷宮~』でのジェニファー・コネリーの方が近いか。それなら門番に質問をして、その答えから正しい扉を選ばなきゃならないんだが、困ったことにフツー人生の扉は質問しても答えは言わない。

で、この映画では、人生の扉を前にただ流されるまま正面の扉を通り過ぎようとしている友人たちを、サイモン・ペッグ扮するキングが引き留める。
人生が一番輝いていたころに戻って、やり残したことをやり遂げよう!と。
ま、そのやり残したことが、パブの梯子酒ってところが、ああ男って・・・・・・。

途中から物語はナナメ217度に向かって走りだし、金のかけ方は無駄遣いだし、そもそも泥酔してたりメタボだったりする中年があんなに動けるはずもない。だから、リアリティはゼロなんだが、登場人物たちが主張する叫びは直球で胸にくる。
エドガー・ライトのすごいところは、徹頭徹尾はちゃめちゃで大笑いできる話の中に、すっとシリアスな展開が現れてくるところだ(そしてまたあっという間にめちゃめちゃな展開に戻る)。

「俺たちが欲しいのは飲んだくれる自由だ!」

いやもう無茶苦茶なシーンなんだけど、キングたちの叫びで思うのだ。
私はこれから何がしたいんだろう。どこへ行きたいんだろう。
ラストでそれぞれの道を歩んでいったキングたち。
たとえ世界が終わっても、進む道が望んだ道なら、キングのように晴れやかな顔でいられるのだろうか。

・・・・・・・・・(しばし沈思黙考)・・・・・・。

いや、まあ、女の人生はいろいろ複雑だ。
やはり後先考えずに「飲んだくれさせろ!」というのは、今のところ男どもの専売特許のような気がする。
まあだから男って、可愛いんだけどね。



↑それにしても、ビールが飲みたくなる映画だ。
もっとも、私は下戸だけど(笑)